たのしい辞書
人類の英知が蓄積され凝縮されている感が大好きなのです。2004年にプリウス(NHW20)の特別仕様車を買った理由の大部分もこれです。Airbus A380 にワクワクするのもこれ。いわゆるクラシックの名曲に惹き付けられるのもたぶんこれ。
モノとしてそれがわかりやすい代表格が、本。知恵が次の世代へ受け継がれることを可能にしたのは、言語の発達と文字の発明であり、それを長い時間残しておくのに最適なのは紙媒体ですからね。これだけ情報技術が発達した2014年現在でも、未来の子孫がそれを読むことができる確率を考えれば、やはりまだ紙媒体が最適です。情報を欠損させないための印刷技術・製紙技術・製本加工技術の向上が著しい現代にあってはさらに。
前置きを書いたところで、本題の辞書の話へ。
図鑑や百科事典や地図なんかも好きですが、人類を人類たらしめた言語と文字そのものをコンテンツとしているだけでなく、限られた物理条件の中により多くの情報(=英知)を収めるために最新の技術を投入して作られた用紙とインクが使われているという点で、いわゆる「辞書」に惹かれます。とりわけ日本の「国語辞典」にすばらしいものが多いのです。英語の国語辞典、ようするに英英辞典で上記のような辞書としての紙質やインクに神経を使っているものはあまり多くありません。日本人の職人気質が垣間見えて興味深いです。
言い訳を先に書いてすっきりしたので、手持ちの辞書類リストをメモ。[括弧]内は版数で、ハイパーリンク先はここの過去エントリです。個別エントリを増やしていく予定です。これらはほとんど古本で買ったので、本の本体(笑)への投資は大したことはないのですが、厚いものばかりなので本棚スペースへの投資がですね(後の言い訳への伏線)
《中型国語辞典》
- 三省堂 大辞林 [1][2][3]
- 小学館 大辞泉 [1][1増]
- 小学館 国語大辞典
- 小学館 国語大辞典「言泉」
- 学研 国語大辞典 [2]
- 学研 新世紀ビジュアル大辞典 [1]
- 講談社 日本語大辞典 [1][2]
- 三省堂 辞林21
- 三省堂 ハイブリッド新辞林
《小型国語辞典》
- 三省堂 新明解国語辞典 [5][6][7]
- 三省堂 例解小学国語辞典 [4][5] ★子供用
- 学研 現代新国語辞典 [4]
- 小学館 現代国語例解辞典 [4]
- 大修館 明鏡国語辞典 [1]
- ベネッセ 福武国語辞典
- ベネッセ 表現・読解国語辞典
- 明治書院 精選国語辞典 [新]
《その他の国語辞典》
- 三省堂 デイリーコンサイス国語・漢字辞典 [1]
- ちくま学芸文庫 言海 [縮刷/復刻]
《漢字辞典》
- 新潮 日本語漢字辞典
- 学研 漢字源 [4]
- 角川 新字源 [改]
《英和・和英辞典》
- 学研 アンカーコズミカ英和辞典
- 学研 レインボー英和・和英辞典 [1増] ★子供用
- ベネッセ チャレンジ英和・和英辞典 [5] ★子供用
- 三省堂 デイリーコンサイス英和・和英辞典 [3][4]
《英英辞典》
- Collins Cobuild Advanced Dictionary of English [5][6][7]
- Collins Cobuild Advanced Dictionary of American English [1]
- Collins Cobuild Student’s Dictionary [3]
- Collins Cobuild Illustrated Basic Dictionary of American Language [1]
- Oxford Advanced Learner’s Dictionary [8]
- Longman Dictionary of Contemporary English [5]
- Cambridge Advanced Learner’s Dictionary [3]
- Scholastic Children’s Dictionary 2010 ★子供用
ニッコクに手を出していないのでセーフです。セーフなんです。
リストからお気づきのように(笑)、中型で一番売れている広辞苑は、辞書として生命線であるはずの国語項目を見ても古さは否めず、他の辞書に比べて工夫が感じられないし、何より百科項目の解説が思想的に左に偏りすぎているので、買っていません。岩波国語辞典も(こちらはそもそも小型の中で売れているほうではありませんが)同じ理由で買っていません。
このあたりの話はいくつも本が出ていますが、わかりやすいのはこれです。実家にある第三版あたりだと、まだそれほど左傾していないんですけどねえ…。
[…] この本が出てから数年後に、同じく講談社から発行された「日本語大辞典」は、同じくカラー写真が満載の、こちらは事典ではなく辞典。多分に百科事典の性格を持たされていますが、 […]
[…] 広辞苑の百科項目が左に偏りすぎているので岩波書店の書籍はあまり買う気にならないという話はあるのですが、そういった思想の入らない自然科学系の書籍・辞典類はよくできていま […]