3年サイクル

いろいろタイミングが重なっているので、電子辞書ネタを更新など。

辞書・事典スキー、つまるところ人類叡智蓄積物スキー、かつデジタルガジェットスキーとしては、いわゆる電子辞書の類は大好物なわけです。今はスマートフォンさえあれば、インターネットに公開されている膨大な情報を(実質的にタダで)検索できる時代なので、電子辞書の市場は縮小していますが、情報の所在がネットの向こうではなく、まさに手のひらの上にあるという質量を伴う蓄積感が、辞書・事典というアイテムの魅力のひとつで、これは書籍の辞書でも同じです。

巷では2016年11月発売の MacBook Pro に搭載された Touch Bar が意外に不評だったりしますが、キーボードと同じ平面に小型のタッチパネルディスプレイを配置するスタイルは、電子辞書としては2006年11月の SHARP PW-AT750 が最初だったと思います。次いで2007年1月の CASIO XD-SW/GW シリーズでも搭載され始めました。読みのわからない漢字を調べたい場合などに役立つ、LCDタッチパネルへの手書き文字認識機能というのは一つのパラダイムシフトでした。また、MacBook の Touch Bar と同様に、そのときアクティブなアプリ/コンテンツに応じたボタンを表示させることで、ハードキーを増やすことなく少ないアクションで機能を呼び出すことができます。

便利なサブLCDパネルだったのですが、電子辞書においてはまず SHARP が2013年12月の Brain PW-S*1 シリーズから搭載しなくなり、次いで CASIO は2015年1月の XD-K シリーズから同様に非搭載となりました。いずれも初搭載から7世代で消滅。すでに iPhone が圧倒的に普及していた時期で、それにつられて電子辞書の市場が縮小する中では、コスト削減が至上命題となっていたことが想像されます。

このへんの話と、このエントリのタイトル「3年サイクル」がどう繋がるか、つまりこれが本題なのですが(例によって前置き長い)、

  • キーボードと並んで小型のLCDタッチパネルが配置されているモデルが良い。
  • そうなると、SHARPの2013年モデルか、CASIOの2014年モデルが最新。
  • 必然的に流通在庫か中古市場を狙うしかない。
  • コンテンツに少し古いものが混ざることには目を瞑る。逆に新しいモデルでは削減されてしまった一部の惜しいコンテンツを持っている利点もある。
  • 流通量の多い CASIO XD-U シリーズが、価格からも選択肢の広さからも狙い目。
  • 特に高校モデルは、2014年の新入生が多く購入しており、今年3月の卒業と同時に中古市場に出回っている可能性が高い。
  • つまり今(2017年度前半)が、良い状態の個体を選べる最も良いタイミング。

ということになります。

じつは、子供たち向けに、小学生モデル XD-U2800 と、中学生モデル XD-U3800 は、運よく新古品という形で店頭展示品を入手することができていました。いずれも一昨年(2015年)秋のことです。付属品はすべて揃っているにも関わらず、価格は新品の1/2~1/3程度とありがたいものでした。上新さんありがとう。

その勢いのまま同じ時期に高校生モデル XD-U4800 の新古品を狙わずに踏みとどまった理由は、

  • 学販モデル XD-U4700 (学校セットAZ-U4700eduに同梱される本体) とのコンテンツ差分。XD-U3800 とのコンテンツ重複が多い XD-U4800 ではなく、より重複の少ない XD-U4700 を狙いたい。
  • が、XD-U4700 は新入生の教科書販売と同時期に限定数のみが販売されるモデルであるため、展示品などの新古品は基本的に発生しない。
  • さらに、2014年の学販で買うと3年保証が付いているため、2017年までは中古市場にもあまり現れない。
  • しかしこれは裏を返せば、2017年に中古市場に出てくる個体は、仮に途中で不具合が起きていても改修もしくは交換されている可能性が高いということになる。
  • 単純なコンテンツ数だけを見ると、150個の XD-U4800 より、140個の XD-U4700 のほうが、中古価格が低くなる傾向がある。
  • 筐体カラーが6色展開の XD-U4800 と比べて、白1色のみの XD-U4700 は、選択の余地がない分だけやはり平均価格が低くなる傾向にある。

このように XD-U4800 をスルーしつつ、ようやく今 XD-U4700 の中古を選ぶタイミングが来たということで、付属品ができるだけ揃っていて、装置としての状態も良いもの、またできれば名前/パスワードが登録されていないもの(パスワードを解除するにはメーカの有償対応が必要)を物色していたところ、これまた運よくそういう個体を見つけて購入できました。学校セットに同梱される専用ケースも綺麗なまま入っていました。Amazonマケプレさんありがとう。

購入年月メーカー型番筐体色国語辞典商品状態価格
(千円)
購入店
2015-01CASIOXD-N2800ピンク小学館例解学習
旺文社標準
新品9.9グッドプライスマート
2015-02SHARPPW-GX500ブラックスーパー大辞林
明鏡
新品6.9Amazon
2015-10CASIOXD-U2800ホワイト小学館例解学習
旺文社標準
新古
(展示品)
10.9J&Pテクノランド
2015-11CASIOXD-U3800ホワイトデジタル大辞泉
明鏡
旺文社標準
新古
(展示品)
13.9J&Pテクノランド
2017-07CASIOXD-U4700ホワイト広辞苑
明鏡
中古12.6Amazon Market Place

小学生モデルが2つ必要な理由は、言わずもがなで家族構成からですが、まったく同じものを2つというのはおもしろくないので、1つは一世代前の XD-N シリーズです。というよりも、じつはこの XD-N2800 の新品が処分価格で出ていたので買ってみたら深みに嵌ったという流れです。さらにその後、PW-GX500 も処分価格で入手。これは今で言うタブレットタイプで、ハードウェアキーボードが無いため操作性はイマイチなのですが、Windows CE ベースのSHARP機も気になっていたことと、中核となる大型国語辞典が大辞林であったことから購入に至ったのでした。あとほら激安でしたし。やはり、3トップであるところの広辞苑・大辞林・大辞泉は、手元に揃えておきたいですからね。

ちなみに、XD-U4800とXD-U4700のコンテンツ差分は以下のようになっています。

  •  XD-U4800 にのみ収録 《18個》
    • Dr. PASSPORT (7個分) 海外で病気や怪我をした際の会話集
      英語・スペイン語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・中国語・韓国語の7つ
    • Trouble Passport (7個分) 海外で盗難などのトラブルに遭った際の会話集
      英語・スペイン語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・中国語・韓国語の7つ
    • キクタンTOEIC・Test Score 500
    • 新TOEIC・テストスコアアップ
    • 新TOEIC・テストハイパー模試改訂版
    • 新TOEIC・テスト英単語・熟語マスタリー2000
  • XD-U4700 にのみ収録 《8個》
    • ビジュアル学習国語便覧 Ver.3
    • 旺文社古語辞典 第十版
    • オックスフォード連語辞典
    • 小学館ケンブリッジ英英和辞典
    • ロングマン英語アクティベータ
    • ブリタニカ・コンサイス百科事典(英語)
    • 小論文入試パターン別書き方ガイド
    • 合本俳句歳時記 第四版

Dr. PASSPORT と Trouble Passport について、中の言語1つを1コンテンツとしてカウントするというのは、ややコンテンツ数水増し的な匂いが…(小声)。また、これらはそのまま XD-U3800 にも入っているため、これだけで14コンテンツも重複するという残念感があります。

一方、外国語会話とTOEIC関連のこれら18コンテンツに代わり、書籍なら1000ページを超える「合本俳句歳時記」など、情報量の多い8コンテンツを搭載している XD-U4700 は、実質的なデータ量としては XD-U4800 より多いぐらいかもしれません。それが垣間見えるもう一つの要因が、英語強化モデル XD-U4900 の存在。このモデルには XD-U4800 のコンテンツに加えて、リーダーズなどの大型辞典を含む10コンテンツが収録されています。同世代のハードウェアはストレージ含めて同じスペックだとすると、XD-U4800 のストレージ容量にはまだ余裕があるということになります。

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