Neptune

手持ちの楽器のうち大編成向きのC管HBS-510は、普段は職場の楽団の楽器倉庫に置いてあります。しかしここ数年、1年の4割ぐらいは他のオケやバンドにトラ参加するため、それを持ち出しています。その期間は職場の楽団の練習に行っても楽器が無いという状況のため、いい中古があれば欲しいと思っていました。

それとは別に、今年の一年生はTubaが2人入ってくれて、そのうちの1人がなんとTubaを買いたいということだったので、いつもの新大久保の楽器屋さんに希望を伝えた上で、連れて行きました。希望はC管の中古ですが、例によって需要が高く、価格相場も高止まり気味なため、予算的にはなかなか厳しい。B管なら B&S 3107 の新品がちょうどいい感じなので、それを含めて何台か試奏していると、たった今買い取り査定で持ち込まれたC管があるとのことで、特別にそれも少しだけ試奏させていただきました。

その楽器は B&S 5198 Mel Culbertson Model “Neptune” です。Neptuneといえば、5ロータリーの B&S 4098 のほうが良く知られていて、おそらく数も出回っていると思います。とはいえそれもベル径520mmの6/4モデルですから、Tuba全体から見ればかなり希少なモデルです。そしてこの5198は、4098の5ロータリーを4ピストン+1ロータリーにしたモデル。さらに希少なモデルで、しかも銀メッキ。これは興奮しますね(落ち着こう)

その段階では持ち込まれたままの状態だったので、それなりの凹みや、それなりの使用感(銀メッキのくすみなど)がありました。この日はこれを含めていくつか試奏しましたが、予算的に合わなかったのでそのまま帰りました。しかし私はこの希少な大口径モデルをとても気に入っており、一週間で凹みを直して綺麗にするということでしたので、近いうちにもう一度試奏しに来ようと思っていました。

翌週、子供たちの社会見学として、新幹線に(わざわざ)乗って私の職場まで行くついでに、新大久保に立ち寄りました。成り行き上、子連れで。5198は凹みも直り、綺麗に磨き上げられていました。さらに、早く売りたいという売り主の希望があるそうで、金額が下がっていました。もうこれでアウトですよ。ええ。もし一年生がこれを気に入って、かつ予算的にもなんとかなるのなら譲ってもいいというオプション付きではありますが、主に私がHBS-510と共に使いたいという理由で、購入に踏み切りました。

この5198、特に銀メッキされたものは、画像もなかなか出回っていないので、資料価値という意味でも貼っておきます。

Neptune photo

B&S 5198 Mel Culbertson Model “Neptune” Silver Plated

私が購入を決めて、その場で決済したのが月曜日。このときは電車で子連れだったので、楽器は持ち帰らずに後日取りに来ることにしました。そのときに試奏できた B&S GR55 (B管・中古だがほぼ新品同様)、および Rudolf Meinl の5ロータリーC管(たぶん3/4モデル・使用感あふれる中古)が、一年生の予算的にはマッチしていたので、それらを試奏するために、また同時にこのNeptuneも再度試してもらうために、再び連れだって新大久保へ。これが5日後の土曜日です。どちらにしてもNeptuneを持ち帰るために、この日はクルマで行きました。

GR55はゴールドブラス製の4ロータリーB管で、前オーナーがまったく使っていなかったということで、ほぼ新品状態。それがこの値段というのはたいへんお買い得です。B管狙いなら即買いコース。RudolfはコンパクトなC管で、非常に軽い息でいい音がでます。ラッカー剥がれが結構あるなど、見た目がやや難点ですが、そのぶん安くなっています。これらとNeptuneとをじっくり吹き比べた結果、やはりNeptuneを気に入った様子。結局、スポンサーたるご家族を説得するなどの紆余曲折を経て、私のNeptuneを一年生に譲ることになりました。ゆえに、私がこの掘り出し物を所有していたのはわずか5日間ということになります。ああ残念。いやしかし、若者がすばらしいパートナーを見つけたことのほうが嬉しいのです。

でも時々高校で吹かせてもらおうと思います(笑)

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