古本
うっかり古本で「新解さんの謎」を読んでしまい、ますます国語辞典がおもしろくなってしまったのです。その観点からは、辞書に古めの情報が多少含まれていても構わないので、ほとんど新品と変わらないような辞書の古本が格安で買える状況はありがたいです。場合によっては、おもしろい語釈は古い版にしかない(最新版では変わってしまっている)こともありますし。
しかし、一部の古本は、文化・学術的な価値などとはほとんど関係なく、単に市場に出回っている数が少ないという希少性のみを理由として、(要するに古本コレクターをターゲットとして)俗に「せどり」と呼ばれる行為によって異常な高値になってしまっている場合があるので、少し注意が必要です。まあ、そういうのは買わないように注意するだけですがw
まずは大人気(笑)の新明解国語辞典。小型クラスの国語辞典では現在もベストセラーなのですね。現行の第七版を古本で入手しました。赤い通常版ではなく、たまたまあった白い特装版にしたところ、なんと2012年1月の発行。まだ今年なのにすでに古本として出回っていました。しかも、「恋愛」などの有名なおもしろ語釈の項目が赤鉛筆でマークされていて、前の持ち主がどんな言葉にマークしたのかをニヤニヤしながら探すという楽しみも(わりと悪趣味)
以前、やはり古本で入手した日本語大辞典(講談社)は、フルカラーの図版が多く使われていて、見る楽しさがありました。いわゆる「中型国語辞典」のこのクラスには、同じくフルカラー刷では大辞泉(小学館)、新世紀ビジュアル大辞典(学研)、モノクロ刷では大辞林(三省堂)、そして広辞苑(岩波書店)などがあります。中型で最も売れている広辞苑と、二番手の大辞林は、それなりに新しい版が発行されていますが、他の多くは1990年代のバブルの崩壊と共に改版が止まってしまっていました。そんな中で先月、大辞泉(小学館)が初版刊行から17年を経て第二版となりました。全4000ページ、横書き、電子データ3年間更新つきというイマドキな仕様です。しかし残念なことに、(私にとっては)肝心の本文の印刷が、カラーではなくなってしまいました。そこで仕方なく(?)、初版を古本で入手しました。
これは1995年発行の初版で、この他に1998年発行の増補・新装版というのもあります。初版に比べて、用紙を軽くして、判を少し小さくすることで、1kgほど軽くなっているようです。こちらはまだ新品でも買えます。内容としては大きく変わっていないようですが、カラーチャート等一部の内容は割愛されているようです。それもあって、迷わず初版を買いました。いえ決して安かったからというわけでは(ry
第二版で横組みになった大辞泉ですが、新世紀ビジュアル大辞典(学研)は、最初から横組みの国語辞典として発行されました。中型国語辞典は、百科事典の性格も持ち合わせていますが、この新世紀ビジュアル大辞典は百科事典としての性格のほうが強いぐらいかもしれません。
これは1998年発行の初版です。これまた2004年発行の増補版があります。そして、上のほうで少し書いた「異常な高値」になっているのは、じつはこの増補版です(2012年12月現在)。おそらく発行部数が非常に少なかったのでしょうね。そんなわけでこれもまた初版を入手。いえ決して安(ry
カラー図版の量は非常に多く、見て楽しい辞典(たぶん事典)です。初版から14年、増補版からでも8年経っているので、改版が期待されるところですが、様々な状況を鑑みると、その望みは薄そうです。
今回古本で入手した上記の辞書は、いずれも数百円(新明解の現行版だけは千数百円)でした。どれも見た目はほぼ新品。嵩張るのが難点ではありますが、あまりお金をかけずに楽しめるのがありがたいです。
冒頭で紹介した「新解さんの謎」を〆に。ちなみにこれは100円でしたw
[…] 小学館 大辞泉 [1][1増] […]