デジタル辞書

デジタル三連発。辞書スキーとしては気になるアレです。

書籍の辞書については過去にいろいろ書いており、子供用の国語辞典等も学校で使う分としては購入しています。しかし例によって技術屋としては電子辞書も気になるわけでありまして、CASIOのエクスワード(EX-word)を子供向けに入手していじっています。学習向けのモデルについて、これまた軽くまとめて(ry

CASIO EX-word 学習モデル(2006年以降)

世代欄: 括弧なし数字は”DATAPLUS”の世代。(括弧付き数字)はベース機種のDATAPLUS世代。※追加コンテンツ非対応機種はDATAPLUSに含まれない
LCD欄記号凡例: 1c=モノクロ、4c=フルカラー、T=タッチパネル
モデル型番欄: 括弧なし数字=型番、(括弧内数字)=収録コンテンツ数、▽=廉価モデル、▲=英語強化モデル、■=学校販売モデル、◇=中学~高校一貫モデル、◆=小学校高学年~中学一貫モデル、▼=小学校低学年モデル、△Amazon限定モデル、□=50音配列
製品
ライン
発売年月世代メイン
LCD
サブ
LCD
高校生向け
モデル型番
中学生向け
モデル型番
小学生向け
モデル型番
XD-ST2006-0221c4800(50)
4500(20)▽
2500(30)
XD-SW2007-0231c1cT4800(56)2500(40)
XD-SW2007-0831c1cT4850(65)
XD-ST2007-0921c4100G(35)▽
XD-SP2008-0241cT1cT4800(85)2500(65)
XD-SP2008-0841cT1cT4850(90)
XD-SF2009-0241cT1cT4800(100)2500(80)
XD-ST2009-0221c4100H(50)▽
XD-SF2009-0841cT1cT4850(120)
XD-A2010-0254cT1cT4800(120)3800(100)
XD-A2010-0854cT1cT4850(125)
XD-B2011-0264cT4cT4700(120)■
4800(130)
3800(110)
XD-SC2011-02(6)4c4100(35)▽
XD-B2011-0864cT4cT4850(140)3850(120)
XD-D2012-0264cT4cT4700(135)■
4800(140)
3800(120)2800(50)
XD-D2012-0864cT4cT4850(150)3850(130)
XD-N2013-0274cT4cT4500(135)■◇
4700(135)■
4800(140)
4805(140)△
4900(150)▲
3800(130)
4500(135)■◇
2800(60)
XD-N2013-0874cT4cT4850(150)3850(140)
XD-U2014-0284cT4cT4500(140)■◇
4700(140)■
4800(150)
4805(150)△
4900(160)▲
3800(140)
4500(140)■◇
2800(70)
XD-SC2014-02(6)4c4200(45)▽
XD-SU2014-03(8)4cT2000(20)▼□
XD-SU2014-11(8)4cT2800(70)
XD-K2015-0294cT4500(160)■◇
4700(160)■
4800(170)
4805(170)△
4900(180)▲
3800(160)
4500(160)■◇
XD-SK2015-11(8)4cT2800(100)
2000(40)▼□
XD-Y2016-02104cT4500(160)■◇
4700(160)■
4800(170)
4900(180)▲
3800(160)
4500(160)■◇
XD-SC2016-02(6)4c4300(45)▽
XD-SU2016-08(8)4cT3500(120)◆3500(120)◆
XD-SC2016-08(6)4c2500(20)▽
XD-G2017-02104cT4500(140)■◇
4700(140)■
4800(150)
4900(170)▲
3800(140)
4500(140)■◇
  • 基本構成として、型番4000番台が高校生モデル、3000番台が中学生モデル、2000番台が小学生モデル。
  • 爆発的に増加していた収録コンテンツ数は、2015年のKモデルでピークに達し、2016年のYモデルでは横ばい、2017年のGモデルでは(単純なカウントとしては)減少に転じている。
  • 2007年のSWモデルから2013年のNモデルまでは、2月に加えて8月にも新製品(型番4850および3850)を発売している。翌年度モデルで増えるコンテンツの全部または一部を半年先取りで搭載し、商品の鮮度を保ちつつ、翌年度モデルではそれ以外の新機能を追加してさらに差別化を図る戦略。
  • 2013年のNモデル以降では、高校生モデル4800に英語コンテンツを10~20個程度追加した「難関校モデル」の4900を併売。この年のN4900とN4850は、内容は若干異なるもののコンテンツ数では拮抗しており、棲み分けがわかりにくくなっている。このためか、翌年2014年のUモデル以降では、末尾50型番の新製品は発売されなくなった。
  • ST4100系の性格を受け継いだ形のSC型番は、メインLCDが非タッチパネル、サブLCDとmicroSDカードスロットも非搭載で、収録コンテンツが少ない廉価版。
  • SUおよびSK型番は、廉価版(SC)と高機能版(=DATAPLUS)の中間に位置する。メインLCDはタッチパネル、サブLCDとmicroSDカードスロットは非搭載。収録コンテンツは比較的多い。このラインは、Uに対するSU、Kに対するSKというパターンかと思われたが、SYやSGは登場せず、逆に2016年8月にSU型番が再登場するなど、型番規則に迷いが感じられる。
  • SU2000/SK2000はキー配列がQWERTYではなく50音。ローマ字学習前の小学校低学年向け。
  • 2015年のKモデルから、高機能な主力モデル(=DATAPLUS)についても、サブLCDパネルが再び非搭載となった。
  • 2016年8月のSU3500は、小学校高学年から高校受験までの6年間向けにコンテンツを厳選した数量限定のお買い得モデル。筐体はSU2800/SK2800と共通のもの。
  • 同時期のSC2500は、さらにコンテンツ数を抑えた小学生向け廉価版。こちらも数量限定。筐体はSC4000番台と共通。
  • 今後の展開としては、コンテンツを追加(プラス)可能な”DATAPLUS”としての主力モデルにはアルファベット1文字型番を与え、毎年2月に新機種を投入する。一方でSU,SCラインは毎年更新ではなく、限定生産を含めた需要見合い的な扱いになると推測される。
  • ただし1文字型番については、現行コンパクトモデルのCのほか、2005年以前に既に XD- の後ろが E F H J L M P R S T V W のモデルが存在しているため、もうあまり残っていない。具体的には I O Q X Z の5つだが、数字と混同しやすい I O Q を除くと、実質的には X と Z の2つしかない。さらに XD-X (エクスワードエックス)というのもイマイチなので…。

型番の文字の件はともかくとして、iPhone等いわゆるスマートフォンの高機能化で、携帯端末としての電子辞書の立ち位置が流動的だということが垣間見えます。専用機器ならではの使い勝手の良さや、ネットに繋がなくてもフル機能が使える点などは大きな訴求ポイントですが、それなりに高価ではあるので、これらの長所にその価格分の価値を見い出せるかどうか。

その回答の一端として、英会話に特化した EX-word RISE シリーズや、Lesson Pod、joystudy など、総合学習辞書とは別の、比較的低額な戦略製品を展開しており、EX-word本流への開発投資は相対的に縮小されているように思えます。

しかし学習モデル、特に高校生と大学生向けは堅調なようですし、エクスワード20周年でもありますし、アルファベットが足らない件と合わせて、そろそろドラスティックな新製品が登場してもいいタイミングではないでしょうか。少なくともLCDパネルの解像度は上げてほしいところです。

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