密度
通信回線の高速・大容量化と、それを受信するデジタルテレビの高機能化、特に安価なPC用HDDに直接録画できる製品が増えたことに伴い、映像記録メディアとしては、BDやDVDなどのポリカーボネイト12cm光ディスクが終焉を迎えそうな感じです。BD vs HD DVD が勃発した頃にはすでに共倒れが予想されていましたが、やはりBD世代はこのまま普及せずに終わりそうですね。でも、個人のちょっとしたデータのバックアップ用途には使い勝手がいい(特に値段が)ので、DVD-RやCD-Rは、まだしばらくは使われると思います。
HDDについても、比較的構造が単純な半導体メモリ、特にSSDの容量単価が急速に下がってきていて、数年の内に追い抜かれると思いますが、2011年4月の時点では3.5インチの2TBクラスが売れ筋になっています。
そういう状況なので、一般的なデスクトップPCのストレージベイには、主にこの12cmメディア用のドライブを搭載する5.25インチベイと、HDDやFDDを搭載する3.5インチベイが用意されていることが多いです。SSDで主流の2.5インチベイが用意されているケースはまだ少数派ですが、2011年はSSDが爆発的に普及すると思いますので、今年の後半にはそういう筺体がいろいろ出てくるかもしれません。
技術の進歩とともに集積率が上がりますので、同じ機能を、より小さな体積で実現できるようになっています。すなわち、規格の世代としては、大きいものほど古いことが多く、ストレージベイの規格もその法則に従っていて、特に5.25インチベイの厚みは結構大きいです。DVD/CDドライブの場合、間口と奥行きについては、直径12cmの円盤を扱うことから限界がありますが、厚みについては工夫の余地があり、ノートPCなどに使われているスリム型ドライブの規格も標準化されています。
高密度フリーク(謎)の私としては、この「無駄に厚い」5.25インチベイの空間を有効に使いたいので、そのためのパーツをいくつかご紹介します。
まずは、3.5インチHDDを1つと、2.5インチHDD/SSDを2つ、まとめて5.25インチベイに搭載するためのマウンタとして、SilverStone社のSST-FP55を。
色違いで2種類(笑)。いまのところこれがベストな選択ですね。
このほか、EZ-SUP41 や BAY RAFTER COMBO や PH-535S25WMB というのも買ってみたのですが、イマイチなのでURL貼りません。実際、イマイチなので、もうあまり売っていません。どうイマイチかというと、
- PH-535S25WMB → 左右対称の金具2個で3.5インチHDDを両側から挟んでネジ止めし、その上に横向きに2.5インチHDD/SSDを2台ネジ止めする形なので、2.5インチドライブのコネクタが横向きに出る。金具が左右で同じものなので、コネクタがある側とない側で、残された空間の幅が同じになり、結果として、コネクタがない側では余裕がありすぎ、コネクタ側ではケーブルの取り回しスペースが狭くて、ケーブルの取り付けが困難という残念具合。
- BAT RAFTER COMBO → 同様に2.5インチドライブは横向き搭載だが、左右非対称でコネクタ側が広くなっているため、ケーブル取り回しはややマシ。でも素材がヤワな樹脂(プラスチック)なので、5.25インチベイへの収まりが悪く、ぐらぐらしやすい。
- EZ-SUP41 → 2.5インチドライブは前向き搭載で、3.5インチHDDと同じ向きにコネクタが来る。素材も金属でしっかりしている。そこまではいいのに、5.25インチデバイスとしてのネジ穴を切ってある位置(天地方向の)がおそらく設計ミスで、3.5インチHDDを「逆さま」に搭載する仕様。ガワの外側上下からネジ止めする形なので、重い3.5インチHDDが逆さまになる一方で、本来逆さまになる(軽いから逆さまでも構わない)はずの2.5インチSSDが正位置に。なんだこれ。特にSSDなんて天地関係ないのに。さらにその5.25インチデバイスのネジ穴位置は、奥行き方向にも奥にありすぎて、マウンタが手前にせり出してしまい、PC筺体によっては前面カバーがはめられないというダメな設計。
お奨めした SST-FP55 は、EZ-SUP41 の惜しい欠点を解消するかのように、5.25インチデバイスのネジ穴が2箇所(手前寄りと奥寄り)から選択できて、PCケースの都合に合わせることができます。天地も正しく、3.5インチHDDを下に(正位置で)取り付け、2.5インチドライブは上に(逆さまに)取り付ける仕様です。もちろん金属製でしっかりした造りです。
次に、DVDスリムドライブを1つと、3.5インチHDDを1つ、まとめて5.25インチベイに搭載するためのマウンタとして、Ainex の HDM-10 を。
これらを1つずつ使うと、たとえば5.25インチベイ2つと3.5インチベイ4つを持つ筺体に、DVDドライブ1台、2.5インチのSSD/HDDを2台、3.5インチHDDを6台、まとめて搭載することができます。3.5インチHDDをすべて2TB玉とすると、12TB分の容量を確保できます。
これで高密度マニアも満足です。(なんだそれ)