脳内麻薬とLaTeX

モノづくりの楽しさの本質は、それが完成した形を頭の中に描きながら、そこへ少しずつ近づいていく進捗感というか、接近感というか、そのような時間と空間が快感なのではないかと思っています。(韻を踏んでみましたが、我ながら適当な日本語だと思います)

音楽を組み立てたり、パズルを解いたりすることにも、それと似たような楽しみがありますが、こちらは論理的に理解すること自体が快感なのでしょう。知識欲も実は同じで、単に丸暗記するのは苦痛意外の何者でもないですが、論理的な理解を伴う、脳の中の隅々にまで浸透して呼応しあうような感覚を得ることは非常に快感です。知識欲の本質はここにあると思っています。

前置きが長くなりましたが、このような論理的な快感を得られる究極の本をご紹介します。理解しながら最後まで読み終えたら、脳内麻薬が出すぎて中毒になるかもしれませんので、取り扱いには注意が必要です。(大袈裟)

その徹底した推敲っぷりは、初出の漢字にはすべてルビを振るという試みからも感じられます。個人的には、1,000ページもこの大作がおそらく、いわゆる「編集者」を介さずに、著者自らが書籍としての組版まで担っていることも、また気に入っている理由のひとつです。さらには、著者はこれまたおそらく、私も大好きな TeX/LaTeX ベースで執筆しています。組版まで行いたい著者のこだわりというよりは、LaTeX の思想から必然的にそうなったのだろうと思います。

このように私の琴線に触れまくりのこの本ですが、何より1,000ページという分厚い外見にも親近感を覚えてしまうのです。

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