コント「事業仕分け」

ただしオチはありません。ただ寒いだけの「民主党政権は仕事していますよ」というパフォーマンス。くだらないにも程がある。しかもその演出の意図とは違う結果になるという、小手先でやったら失敗するという例です。そもそも対象になっている事業が一部だけで、予算枠としても「焼け石に水」的な効果しか出ないというのもあります。慣例という名のタブーを破ったことは評価に値するとしても、こういうくだらない演出は不要です。
そんな中で、スパコンについてはやや当事者(?)なのでコメントしづらいですが、地球シミュレータやTSUBAMEなどはともかく、今からベクトル型で汎用スパコンを作ろうというのはちょっとなあ。結果的にはゴニョゴニョあってスカラ型単独で、とかいうグダグダな展開だったし…。資源に乏しい日本は頭を使って技術や文化を磨くしか存在価値がない(突き詰めれば知的生命体としての人間の価値は全てそこに集約されますけどね)ので、国家予算から研究費を削ることは即ち国家の未来を削ることですが、このスパコンに関しては全面的には非難しにくい感じです。
一方で、膨大な計算力が必要な、宇宙物理やバイオ関係(最近では特にiPS細胞関連など)の研究が滞ってしまうのは明らかにまずい。少なくとも、ばらまき政策で超短期的に「国民の生活」を補助するという選挙パフォーマンスよりも、長期的に国民のみならず地球そのものを守るための研究費のほうが圧倒的に大事でしょう。
そんな遠い未来には自分は生きていないからどうでもいいや、などというのは物事を短い時間軸でしか想像できない(≒頭の悪い)人間の考え方であり、ばらまき政策はまさにその具(愚)体例といえます。そうではなく、個人の人生を超えて地球全体を長い時間軸で考えられる(≒頭のいい)人間を増やすことが、主導役たる政治の役割であって、そういう政治を支持する人を増やす方向での選挙パフォーマンスを期待します。
無駄を削減って、このくだらないコントが一番無駄だと(私は)思いますが、じつは前述のような「長期的なプラン」を踏まえての演出(慣例を破ったというお知らせ)なのだとしたら、国民もバカにされたものです。(まあ、ばらまき政策を喜んでいる時点でバカにされても仕方ない≒バカだと思われているという気もしますが…)

1 コメント

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